八雲町落部の軟白ねぎ収穫が最盛期 春まで続く農福連携の取り組み
八雲町落部地区で、軟白ねぎの収穫が最盛期を迎えています。畑では、白く長く育ったねぎを一本ずつ丁寧に掘り取り、土を落とし、出荷に向けた作業が進んでいます。
この時期の落部地区は、朝晩の冷え込みもあり、農作業には体力と集中力が求められます。それでも、収穫された軟白ねぎの姿を見ると、地域の農家さんが積み重ねてきた手間と技術が伝わってきます。
就労支援事業所うしおでは、長い間、落部地区の農家さんと協力しながら、農福連携を柱とした取り組みを続けてきました。農家さんにとっては人手不足の解消につながり、事業所にとっては利用者さんの経験づくりや人材育成につながる。双方のニーズが重なり合い、地域の中で続いてきた大切な取り組みです。
今年は新たに1社の法人様から契約のご依頼をいただき、本日より収穫作業が始まりました。作業はここで終わりではありません。落部地区の軟白ねぎ収穫は、来春5月まで続く長い取り組みです。

落部地区で軟白ねぎの収穫がピークを迎えています
軟白ねぎは、白い部分を長く、やわらかく育てるために、栽培中の管理に手間がかかる農産物です。光を当てないように土寄せや被覆などを行い、時間をかけて白い部分を伸ばしていきます。
収穫の現場では、ねぎを傷つけないように掘り取り、根についた土を落とし、状態を確認します。葉の張り、白い部分の長さ、太さ、曲がり、傷の有無など、見るべき点はいくつもあります。
収穫作業は単純に見えて、実はとても繊細です。
ねぎを折らないように扱う
土の重さや湿り具合に合わせて動く
作業の流れを見ながら次の準備をする
出荷に向けて丁寧にそろえる
寒い時期の畑では、手先が冷えやすく、足元も安定しない日があります。だからこそ、現場では声を掛け合いながら、安全に、確実に作業を進めることが大切になります。
落部地区の農家さんは、こうした日々の積み重ねを大切にしながら、品質のよい軟白ねぎを育てています。ピークを迎えた今、収穫の現場には地域の農業を支える力強さがあります。
来春5月まで続く長い収穫作業です
軟白ねぎの収穫は、短期間で終わる作業ではありません。今回始まった収穫作業は、来春の5月まで続く予定です。
冬を越え、春に向かう時期まで作業が続くため、農家さんにとっては安定した人手の確保が欠かせません。天候や生育の状況に合わせて作業内容が変わることもあり、現場では柔軟な対応が求められます。
就労支援事業所うしおでは、1年を通じて作業ができる取り組みを方針としています。季節ごとに作業が途切れてしまうのではなく、年間を通して経験を積めることは、利用者さんにとって大きな意味があります。
農作業には、次のような力が自然と育ちます。
体調や時間を意識して働く力
道具や農産物を丁寧に扱う力
周囲と協力して進める力
作業手順を覚えて継続する力
自分の役割を理解して動く力
毎日の積み重ねが、働く自信につながります。農家さんにとっても、作業を理解した人が継続して関わることは心強いことです。
今年、新たに法人様から契約のご依頼をいただいたことは、これまでの取り組みが地域の中で信頼されてきた証でもあります。うしおでは、選ばれる事業所を意識し、現場で必要とされる働き方を一つずつ形にしています。
農福連携が地域の農業と人材育成をつなぎます
農福連携とは、農業と福祉が協力し合う取り組みです。農業の現場には、種まき、定植、除草、収穫、選別、出荷準備など、さまざまな作業があります。一方、福祉の現場では、利用者さんが自分に合った作業を通じて経験を重ね、働く力を育てていくことが大切です。
落部地区での取り組みは、まさにその両方をつなぐものです。
農家さんは、繁忙期に必要な人手を確保できます。事業所は、実際の農業の現場で利用者さんが働く機会をつくることができます。そこには「お願いする側」と「手伝う側」という一方通行の関係ではなく、地域の中で支え合う関係があります。
就労支援事業所うしおの取り組みは、渡島総合振興局公式の「農福連携・水福連携」ポータルサイトでも紹介されています。地域で積み重ねてきた活動が、外からも見える形で紹介されることは、現場で働く人たちにとって励みになります。
農福連携のよさは、すぐに大きな成果として見えるものばかりではありません。けれど、同じ畑に通い、同じ作業を続け、農家さんと顔の見える関係をつくっていく中で、少しずつ信頼が育っていきます。
その信頼が、次の仕事につながります。新しい契約につながります。そして、地域の農業を守る力にもなっていきます。

軟白ねぎの魅力はやわらかさと甘みです
軟白ねぎの大きな魅力は、白い部分のやわらかさと、加熱したときに感じる甘みです。生のまま刻むとシャキッとした香りがあり、火を通すととろりとした食感になります。
寒い季節の食卓には特にぴったりです。
鍋料理に入れると、だしを吸って甘みが引き立ちます。味噌汁に入れると、香りとやさしい甘さが加わります。焼きねぎにすると、外側は香ばしく、中はとろっとした食感になります。
家庭でも使いやすい食材です。
鍋料理 肉や魚、豆腐、きのこと相性がよく、冬の定番に向いています。
味噌汁 斜め切りにして入れるだけで、香りと甘みが出ます。
焼きねぎ フライパンやグリルで焼き、塩やしょうゆでシンプルに味わえます。
ねぎぬた ゆでたねぎを酢味噌で和えると、さっぱり食べられます。
すき焼きや肉豆腐 甘辛い味付けとねぎの甘みがよく合います。
栄養面では、ねぎには食物繊維やカリウム、ビタミンCなどが含まれます。青い部分にはβカロテンなども含まれます。特定の効果を強くうたうものではありませんが、日々の食事に取り入れやすい野菜の一つです。
白い部分だけでなく、青い部分も刻んで薬味にしたり、スープや炒め物に使ったりできます。無駄なく使えるところも、ねぎのうれしいところです。
地元の農産物を選ぶことが地域を支えます
地元で育った農産物には、作り手の顔が見える安心感があります。畑の様子、収穫の時期、地域の気候。そうした背景を知ると、普段の食事も少し違って見えてきます。
八雲町落部の軟白ねぎ収穫は、地域の農家さんの努力だけでなく、福祉事業所との連携によって支えられています。人手不足という農業の課題と、働く経験を積みたいという福祉のニーズが結びつき、地域に合った形で続いています。
食卓に並ぶ一本のねぎの向こうには、畑での作業があります。寒い中での収穫があります。選別や出荷に向けた準備があります。そして、その一つひとつに関わる人たちがいます。
地元の農産物を買うこと、食べること、誰かにすすめること。それは大げさなことではありません。日々の暮らしの中でできる、地域への応援です。
落部地区の軟白ねぎの収穫は、来春5月まで続きます。これから寒さが深まる時期にも、畑では作業が続きます。ぜひ食卓で軟白ねぎを味わいながら、地域の農業と農福連携の取り組みにも目を向けてみてください。
一本のねぎが、地域のつながりを教えてくれます。



